配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV法)が改正 (2024年4月施行)

掲載日:2024年4月27日 

法令

憲法の元で「個人の尊重と法の下の平等」が掲げられ、「人権擁護と男女平等」が重要視されていますが「配偶者からの暴力」は深刻な人権侵害です。このことから被害者への救済が十分でない現状を改善するために、通報、相談、保護、自立支援などの体制整備を通じて配偶者からの暴力を防止し、「より」被害者を保護することを目的として同法律が改定されています。

「保護命令制度」の拡充・「保護命令違反」の厳罰化を目的に今改正が行われています。

種別 改正
公布日 2023年7月5日
施行日 2024年4月1日より
関連資料 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の 一部を改正する法律(令和5年法律第30号)(概要PDF) /ソース:内閣府男女共同参画局

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法令の内容

接近禁止命令等の申立てをすることができる被害者定義の変更 (10条1項~4項)

・配偶者からの身体に対する暴力を受けた者
・配偶者から「生命又は身体」に対する加害の告知による脅迫を受けた者
・配偶者から「自由、名誉又は財産」に対する加害の告知による脅迫を受けた者

改正前

・配偶者からの身体に対する暴力を受けた者
・配偶者から「生命又は身体」に対する加害の告知による脅迫を受けた者

要点

「自由、名誉又は財産」に対する加害の告知による脅迫を受けた者」が追記され、身体への危害だけでなく、「自由」や「名誉」、「財産」を脅かすことが要件に加えられた。

接近禁止命令の発令要件の変更 (10条1項~4項)

・更なる身体に対する暴力又は生命・身体・自由等に対する脅迫により心身に重大な危害を受けるおそれが大きいとき

改正前

・更なる身体に対する暴力により身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとき

要点

「身体」への危害のみを対象にするのではなく、その対象を「心」「体」「命」等へ拡大することにより、接近禁止命令を発令しやすくなります。また、その期間を6か月間としていたものが1年間に伸びています。

被害者と同居する未成年の子への電話等禁止命令の創設 (10条3項)

被害者と同居する未成年の子への接近禁止命令の要件を満たす場合についての当該子への電話等禁止命令が創設された。

対象となる行為は、「監視の告知」、著しく「粗野乱暴な言動」、「無言電話」、緊急時以外の「連続した電話・FAX・メール・SNS等送信」、緊急時以外の「深夜早朝の電話・FAX、汚物等の送付」、「名誉を害する告知」、「性的羞恥心を害する事項の告知」、「位置情報の無承諾取得」などが対象となります。

要点

未成年の子と加害配偶者が会うことを強制することを防止する必要があること、15歳以上の子については同意が必要であることなどが既定されています。

法律や改訂の具体的なポイントについては、内閣府男女共同参画局が公表する関連資料のPDFをご覧ください。