瀬藤乃理子、前田正治(2020)
「臨床場面における「心的外傷後成長(PTG)」 : PTGという概念がもたらしたもの(特集 トラウマ臨床の新しい動向と広がり)」
掲載日:2024年4月27日
論文名 | 臨床場面における「心的外傷後成長(PTG)」 : PTGという概念がもたらしたもの(特集 トラウマ臨床の新しい動向と広がり) |
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English Paper name | Posttraumatic growth (PTG) in clinical settings |
著者 | 瀬藤乃理子、前田正治 |
発表年 | 2020年 |
論文要旨
1995年にTedeshiとCalhounが提唱した「心的外傷後成長(Posttraumatic growth:PTG)」は、現在では多くの臨床家に広く知られる用語となり、PTG研究としても大きな発展をとげている。一方、その概念にはいくつかの混乱や、臨床家が整理しておくべき点がある。本稿では、PTG概念の取り扱いをめぐる課題を整理しながら、PTGのような肯定的側面に臨床家が目を向けることの重要性と、PTGを引き起こす出来事となる「喪失」や「トラウマ」を扱う際の注意点について述べた。また、PTG概念を臨床場面に役立てる具体的な方法として、レジリエンスに着目した支援や、弁証法的思考法の活用についても紹介した。(p.589)